昨年7月の参院選の選挙報酬をめぐり、公職選挙法違反の疑いが出ている自民党の河井克行前法相と、妻の河井案里参院議員が15日深夜、急きょ都内の別々の場所で、会見を開いた。2人ともに、議員辞職や離党の意思はないと明言しながらも、疑惑に関しては捜査が続いていることを理由に一切、説明に応じなかった。

今回の疑惑が明るみに出て、河井氏が「説明責任を果たす」と述べて法相を辞職した10月31日から約2カ月以上、2人は雲隠れを続けていた。

広島地検はこの日、公選法違反の疑いで、広島市にある夫妻の事務所を家宅捜索した。2人の唐突な会見は家宅捜索を受けたものとみられるが、捜索を盾に詳細は明かされず、会見は単なる「顔見せ」に終わった。

先に会見した河井氏は長期間、姿を見せなかった理由について、国会審議への影響回避に加え、適応障がいで約1カ月の自宅療養が必要とする診断書を党側に提出した案里氏の療養に付き添っていたと主張した。また案里氏は「適応障がいが悪化する兆候がみられたので、療養していた」と説明。これまでも適応障がいの治療を続けてきたと明かした。

これまで雲隠れを続けてきた2人だが、その間の歳費(月額約129万4000円)は支払われ、昨年末のボーナスもそれぞれ200万円~300万円の「満額支給」を受けており、自民党内からも批判が相次いでいた。

河井氏は、20日召集の通常国会について「出席していく」と述べ、案里氏は「体調を勘案しながらできる限り、国家のために働いてまいりたい」と述べた。