17年夏の甲子園優勝チームの主将が逮捕された。強盗目的で民家に侵入し、住人に頭蓋骨骨折、顔面切創などの大けがを負わせたとして、千葉県警は1月31日、強盗致傷などの疑いで、東京都町田市、無職千丸剛容疑者(20)ら男5人を逮捕したと発表した。

千丸容疑者は17年夏の甲子園で優勝した花咲徳栄(埼玉)の主将だった。卒業後は駒大進学も1年時に野球部を退部。大学も退学していた。他の4人は大和市などの21~22歳。千丸容疑者ら4人は容疑を認め、1人は一部否認している。

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佐倉署によると、逮捕容疑は、5人で共謀の上、昨年4月26日午後9時45分ごろ、千葉県八街市の2階建て民家に金品を奪う目的で、この家に住む自営業男性(60)を玄関でバールのようなもので殴り、頭蓋骨骨折などの重傷を負わせて侵入し、家の中で男性の妻(58)の顔を切りつけたが、妻が助けを求めて大声を出したため、金品などは奪えず、逃走した疑い。

男性の玄関は施錠されており、容疑者らがインターホンで男性を呼び出し、男性がドアを開けたところで殴り倒し、押し入ったという。

署によると、この民家に侵入する前には、現場から1キロほど離れた八街市内の集合住宅の駐車場から、普通乗用車のナンバープレート1枚を盗んだ疑いもある。5人のうち1人の車で移動しており、捜査かく乱のための偽装工作とみられる。捜査関係者によると、容疑者5人のうち、千丸容疑者以外に高校の野球部出身者などはいない。5人は強盗致傷罪などで起訴されている。

千丸容疑者は、17年夏の甲子園では2番二塁、主将としてチームを率いた。卒業後は駒大へ進学したが、関係者によると、人間関係に悩み、1年の時に野球部を退部、大学も退学した。事件は退学後に発生している。容疑者には指導者になる夢があったため、今年4月に別の大学へ入学することを目指していたという。OBとして、花咲徳栄の試合をスタンド観戦する姿もみられていた。