10日に65人、12日に34人と新たな感染者が芋づる式に増えている状況に、ダイヤモンド・プリンセスの乗客は不安を募らせている。5日朝から全乗客に自室での待機が命じられて8日目のこの日、船内で許可された散歩の最中に乗客同士が話し合う姿が散見された。

3、4日に行った検疫では、最初に感染が判明した香港人の男性乗客(80)に濃厚接触したか、体調不良を自己申告した乗客、合わせて273人の検体を調べ、64人の感染が判明。ただ、それ以外の人の検疫は、問診票を配って耳から体温を測り、1分程度で終わる簡素なものだったといい、その後、検体を取らなかった乗客から体調不良を訴える人が続出している。

埼玉県から参加する男性は、前日11日から風邪のような症状があり、12日午前から午後まで体温を4度計ると、平熱より1度強、高い数字が出たという。午後には船内の医療センターに体調の異変を連絡した。

厚労省は全員の検査の方針を示している。男性は「長く滞在すればするほど感染が拡大し、悪化する不安がある。感染率も上がってきていると感じる。全員検査をやるなら、早くやって欲しい」と訴えた。