安倍晋三首相は16日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染拡大防止のために要請した一斉休校の影響で、卒業式の開催に影響が出たことへの責任を、問われた。

首相は14日の会見の中で、唐突に「卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます」と述べた上で、卒業式について「安全面で工夫し、ぜひ実施していただきたい」と、条件付きで実施するように呼び掛けた。

しかし、立憲民主党の蓮舫参院幹事長は「卒業式は、もう終わったり、中止されている。会見で場当たり的な発言をするのはやめていただきたい」と指摘した。

これに対し、首相は先月29日の会見で、卒業式について「感染防止のために必要最小限の人数に限って開催するなど、万全の対応のもと、実施してほしい」と述べたことを引き合いに「場当たり的」との指摘に、反論した。

蓮舫氏に続いて質問に立った立民の水岡俊一氏は「卒業式が幻になった子どもたちが聞いたら『遅いよ』『どうしてくれる』と思っただろう」と批判したが、首相は「14日の会見で(初めて)言ったのではない」と、再び反論。卒業式の実施に関する総理発言について押し問答が続いた。

首相は学校休校の判断について「学校の場に集団感染を起こしたくないから判断した」と述べた上で、判断には責任が伴うと指摘。「クラスターが発生したら、だれが責任を取るのか。だから(首相として)大きな判断をした」と、訴えた。

学校再開を判断する時期については、19日に示される政府の専門家会議の判断を踏まえた上で、判断するとあらためて述べた。「19日に判断できるかどうかは、今は申し上げられない」と述べるにとどめた。