新型コロナウイルス感染症の治療薬の開発が本格化している。
世界規模の感染拡大で早期の治療法確立が急務となり、別の病気の治療薬として承認を受けた薬を試用し、医療機関や製薬会社、大学で臨床試験などが進んでいる。
東大の研究チームは急性膵炎(すいえん)の治療薬「ナファモスタット」に治療効果を得られる可能性があると発表している。人の細胞にウイルスが侵入するのを防ぎ、感染した細胞の増殖を防ぐ働きがあるとみて、複数の医療機関で臨床研究を予定している。
新型インフルエンザ薬「アビガン」は大学病院などで患者へ投与され、治験が開始されている。胎児に悪影響があるとして、妊婦や妊娠の可能性のある女性には使用禁止されるなど制限はあるが、厚生労働省には約200万人分が備蓄されているとされている。国立国際医療研究センター(東京)では重症患者に対し、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」の投与を開始した。米国の研究機関では感染予防や症状軽減に効果があるとしている。
現時点では新型コロナウイルスの治療薬がなく、新薬開発には時間を要するため、既存薬を転用するが海外の臨床試験では患者の死亡例もある。効果や安全性を確認するためには、まだ時間がかかりそうだ。【大上悟】


