コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなどスポーツ各種、芸能イベントは開催できない状況です。暗いニュースがあふれる中で心温まる、ホッと一息つける「ホッコリニッカン」面を新設しました。「日本の色」として、鮮やかな写真とともにお届けします。

   ◇   ◇   ◇

群馬県館林市内を流れる鶴生田川に架かる「ふれあい橋」から、幻想的な風景が広がる。こいのぼりが川一面に赤、青、緑、黒、紫と揺らめく。川面に写り込み、さらにその数を倍にする。モザイク画のような景色にカメラのシャッターを切り続けた。

こいのぼりと言えば家庭の庭先に飾られるのが一般的だ。だが、館林市では3月下旬から5月の大型連休明け位まで、鶴生田川を中心にいくつかの沼でも掲揚され、一帯で里まつりが行われる。桜の季節とも重なり、ライトアップされたこいのぼりと桜を目当てに、毎年多くの観光客が訪れる。館林市出身でつつじが岡公園職員の島野智昭さん(32)は「暖かくなってきたんだな」と慣れ親しんだ光景に春の訪れを感じるという。

今年は新型コロナウイルスの影響でイベントは中止となった。05年には5283匹の掲揚数でギネス世界記録に認定された。島野さんも幼少から親しんだイベントだけに「寂しい」と肩を落とす。外出自粛で人通りの少ない鶴生田川だが、こいのぼりの大群はゆったりと夕風に身を任せていた。【滝沢徹郎】

<撮影データ> 4月11日17時12分撮影 ニコン「D5」 70-200ミリズーム(焦点距離200ミリ) ISO感度1600 シャッタースピード250分の1 絞り8