立憲民主党は15日、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の発令後に、東京・歌舞伎町の「セクシーキャバクラ」で遊興していた高井崇志衆院議員(50)を除籍(除名)処分とした。高井氏は離党届を提出したが、コロナ有事下に危機感皆無。党側は受理せず、枝野幸男代表は「議員辞職に値する」と激怒した。都内のキャバクラなどは今月10日、休業要請の対象として発表された。高井氏は遊興できたかもしれないが、多くの店は、ギリギリの経営を迫られている。

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関係者によると、高井氏は今月9日夜、歌舞伎町の「セクシーキャバクラ」で遊興したという。政府が7日に東京など7都府県を対象地域として、緊急事態宣言を出した直後。それ以前から「不要不急」の外出自粛が求められており、国会議員本人が「範」を破る事態となった。

高井氏の問題は14日に「デイリー新潮」が報道。野党からは「安倍政権を利する行為だ」(関係者)との声が出ており、立民側もこの事態を重視。高井氏が14日に提出した離党届を受理せず、この日持ち回りの常任幹事会で、除籍処分を決定。福山哲郎幹事長は「言語道断だ」と、憤った。

枝野氏は「国会議員の自覚を欠き、議員辞職に値する無責任な行動」と指摘。自身のツイッターに投稿した動画で「事柄の重大性に鑑み除籍処分にした。皆さんの信頼を損ない、おわび申し上げる」と謝罪した。

高井氏は東大卒。総務省などを経て09年衆院選で初当選し、現在3期目。今年2月の衆院総務委員会では、安倍首相の「夜会食」の多さを取り上げ「民間企業は飲み会を自粛している。首相の危機感のなさが国民を不安にしている」と批判したが、自分の言葉がブーメランとして返ってきた。

党側には事実関係を認め「国民に自粛をお願いしているときに軽率な行動で不快な思いをさせ、反省している」と話したという。

菅義偉官房長官は会見で「与党であれ野党であれ、国会議員は自らの行動に責任を持ち、国民の負託に応える必要がある。残念な話だ」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表は「国会議員の出処進退は自ら決めるべき」と、突き放した。