コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなどスポーツ各種、芸能イベントは開催できない状況です。暗いニュースがあふれる中で心温まる、ホッと一息つける「ホッコリニッカン」面を新設しました。「日本の色」として、鮮やかな写真とともにお届けします。

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長野県王滝村にある御嶽山を訪ねた。山村にも春が訪れ新緑や桜が美しい。岐阜県にまたがるこの活火山は、14年の噴火で58人の犠牲者を出した。今は火口付近以外は、ほぼ入山できるまでとなった。また御嶽信仰でも知られ、山中には多くの石碑や神社があり独特の雰囲気を味わうことができる。

王滝観光総合事務所の池井真由美さん(52)に話を聞くと、御岳信仰は1200年以上前、信濃の国で疫病が発生し、信濃国司の石川朝臣望足が疫病退散の祈願登山をしたことが始まりだという。空気がきれいな山村も感染拡大の影響でマスク姿に消毒が必須だ。また池井さんは「山に登るのは苦しくて大変。そんな時に飛んでいる鳥を見るだけでもきれいだなと思える。疲れると余計なことを考えられなくて純粋になれる。日常のストレスや悩みから解放される癒やしの山です」と話す。

御嶽神社里宮の社殿まで451段ある石段を1人上った。こけむした石段と周りを囲むヒノキ、サワラ、スギの巨木が神秘的だ。途中で息が上がり深呼吸した。どこにいてもこんなふうに大きく息を吸いたい。疫病退散の祈願成就が待ち遠しい。【滝沢徹郎】

<撮影データ>4月17日午後0時35分撮影 ニコン「D5」 18-35ミリズーム (焦点距離35ミリ) ISO感度640 シャッタースピード500分の1 絞り5・6