静岡ゆかりの戦国武将・今川義元の銅像「義元公像」が完成し、除幕式が19日、JR静岡駅前で行われた。生誕500年祭の関連事業で、旧暦のこの日は、義元が桶狭間の戦いで織田信長に敗れ、落命した命日に当たる。

推進委員会の関係者や川勝平太・県知事、静岡市の田辺信宏市長らが出席した。高さ約1・9メートル(台座を含む)の銅像は、長泉町出身の彫刻家・堤直美氏が制作。「多くの方が愛してくれることを祈念しています」とあいさつすると、市民から多くの拍手が送られた。

義元は戦国時代の駿河と遠江、三河の守護を務めた今川氏の当主。1560年の桶狭間の戦いで敗れ、「負けた武将」のイメージが強い。しかし、推進委員会の小和田哲男委員長は「軟弱な武将と言われてきたが、実際はそうではない。再評価するためにも、このプロジェクトが大事だった」と強調。2017年には義元の功績を顕彰する事業を設立。シンポジウムなどで情報を発信していく中で、銅像設置案が立ち上がった。

JR静岡駅北口には「徳川家康公像」と、幼少期の「竹千代君像」が設置されている。これで、銅像は計3体。新たな観光スポットとしても期待されている。田辺市長は「新型コロナウイルスの影響で沈んでいる中、希望の光となる日になった」と喜んだ。式典後は動画サイトのユーチューブで「今川シンポジウム2020」を生配信。歴史研究家・大石泰史氏の講演や、出席者による座談会を行い、今後の展望などを語り合った。【神谷亮磨】