東京都の小池百合子知事(67)が、再選を目指してきた都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)への出馬について、6月10日にも正式表明することが27日、関係者への取材で分かった。この日、1期目としては最後の議会となる都議会定例会が、来月10日までの日程で開会。小池氏は会期最終日に、再選に向けた思いを述べる見通しだ。

小池氏は都議会本会議で所信表明に臨んだ。都知事選には直接触れなかったが、結びで16年の都知事選時のキャッチフレーズ「東京大改革」を持ち出し「東京大改革の旗のもと、首都東京が活力をもって将来へ発展を続けていく」と訴えた。「東京大改革」の部分は演説原稿に記載がなく、自身の「初心」に触れる形で都政継続に意欲を示した。

新型コロナウイルス対策については「早期に乗り越えるべく引き続き全身全霊でまい進する」と強調。第2波や新たな感染症の可能性に触れ、警戒を強めた。

議会後、「東京大改革」に触れた理由を問われ「東京は生き物で、ずっと生き続けていかなくてはならない。それは改革の精神が1番必要だというような思いも込めた」と説明。来年に延期された東京五輪・パラリンピックにも触れ「希望あふれる大会の実現を目指し、まずはこの感染症との戦いに、引き続き全力を尽くす」と、意欲を示した。

小池氏には、都政で対立してきた自民党が独自候補擁立見送りという形で支援する。前回は「後出しじゃんけん」ならぬ「先出し」出馬表明で流れを作った。今回は小池氏の正式表明を号砲に、本格的に戦いがスタートする。【佐藤勝亮】