雄大な日高山脈が望める新ひだか町の明治牧場ではこの春、19頭のサラブレッドが生まれた。まだ肌寒い風が吹き、青々と茂った牧草が揺れ、山脈にはまだ雪が残る。生まれたばかりの子馬たちはじゃれ合ったり、昼寝したりとのんびりと過ごしていた。母馬にぴったりと寄り添い、愛くるしい姿も見せてくれた。

日高山脈は北海道唯一の山脈で、佐幌岳から襟裳岬まで約150キロメートル南北に貫いていて、最高峰は幌尻岳の標高2053メートルである。登山道がある山が少なく、林道や沢登りが前提となるため、登山は容易ではない。日本では数少ない極めて峻険(しゅんけん)な山脈だ。

取材した初日は雲に覆われていて何時間も粘って晴れるのを待ったが、その姿を垣間見ることは出来なかった。その日は近くに宿泊し、翌日に懸けた。翌日は見事に快晴。優雅にそびえ立つ「北海道の背骨」が姿を現した。この雪化粧は6月上旬までしか見ることが出来ず、この絶景は今しか見られない。

天候が良ければ近くにある道の駅「みついし」からも山脈を見ることが出来る。新型コロナウイルスが終息したら北海道の大自然を体感しに訪れてはいかがでしょうか。【佐藤翔太】