神奈川県の鎌倉市、逗子市、葉山町が今年夏の海水浴場開設を断念したと1日、連名で発表した。

連名での発表によると、開設断念について「県から『海水浴場等における新型コロナウイルス感染症の感染防止対策ガイドライン』を参考に、対策について熟慮を重ねて参りましたが、感染拡大のリスクを徹底的に抑えることは難しいと判断しました」と説明。さらに「今夏は、遊泳等に対する十分な安全対策や海の家による飲食、更衣休憩所やシャワーなどの提供ができない状況となるため、来訪を控えていただきますよう、お願いいたします」と呼び掛けている。

また、藤沢市もこの日、3つの海水浴場組合から海水浴場開設中止の報告があったと発表した。

開設中止は来訪禁止ではないことから、各自治体では、今後、安全や風紀対策のガイドライン作りが必要と考えている。

鎌倉市によると、今年は遊泳者を見守る監視員を置かず、遊泳者とサーファーらマリンスポーツをする人々を区切っていたロープを張らないことになる。例年、海水浴場開設期間の午前9時~午後5時までは、砂浜にボードも持ち込めないなどサーフィンなどマリンスポーツはできなかったが、今年はサーファーらが自由に入ってこられる状態になるため、すみ分けができなくなる。担当者は「遊泳者とサーファーらの接触事故が起きる可能性がある」と懸念する。「マリンスポーツ関連団体と協議し、安全に関する『鎌倉ルール』のような仕組みできれば」と話している。

葉山町は「開設中止は3密を防ぐコロナ対策に尽きるものなので、今年の夏は来訪を控えていただきたいですが、強制力はありません。今後、安全面や風紀における最低限の対策を詰めていきたい」と話した。

藤沢市は「ゴミ放置やコロナ対策など、市としても対応しなければならないだけに、今後、ルール作りを検討していきます。また、どのように呼び掛けていくかなど、関係各所と協議していきます」と話した。

逗子市は「例年より遊泳区域の規模をかなり縮小し、マリンスポーツとのすみ分けをするブイを置くことを検討中です」とした。

これまでに茅ケ崎市、平塚市、大磯町が海水浴場を開設しないと発表している。例年、湘南エリアは海水浴客でにぎわう人気エリアだった。【近藤由美子】