持続化給付金事業を担当する中小企業庁の前田泰宏長官(56)が、事業を受託した「サービスデザイン推進協議会」の常務執行理事と米国視察をした際、パーティーなどで同席したことを11日、参院予算委員会で認めた。同日発売の週刊文春が「経産省最高幹部と幽霊法人電通社員 テキサス“癒着”旅行」と報じていた。

前田氏は経産省大臣官房審議官時代の17年、テキサス州オースティンで毎年開かれる大規模イベントを視察。民家を借り上げ、「前田ハウス」と称して毎晩パーティーを開いていた。常務執行理事との関係を問われた前田氏は「癒着旅行ではなく公務の出張」とした上で、「ホテルのコーヒーバーで偶然会い、話をした。パーティーにも参加されていた記憶がある」と答えた。「そんなに親しい方ではない」との答弁には失笑が広がった。

16年5月16日に設立されたサービスデザイン協議会は、同日公募された「おもてなし規格認証事業」を受注したのをはじめ、これまで経産省の事業を14件請け負っているが、電話もなく決算公告もしていない一般社団法人。769億円で委託された持続化給付金事業は749億円で電通に再委託され、さらに再々委託や外注が行われる不透明な形態で「中抜き」疑惑が浮上している。