東京都の小池百合子知事が12日、都庁で臨時会見を開き、都知事選(18日告示、7月5日投開票)への再選出馬を表明した。「東京大改革2・0」を掲げて改革路線を強調。新型コロナウイルスとの闘いの中で、公務を優先しつつ、オンライン選挙で再選を目指す。初当選した4年前と同様、自民、公明両党などの推薦は受けずに立候補する。

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小池氏は臨時会見で「知事選、再出馬という決意を固めました」と出馬を正式に表明した。4年前の選挙を「まさに、崖から飛び降りる決意だということで都知事選へ挑んだ」と振り返り、4年間、都政のかじを取った上での再選出馬表明に際して「同じ気持ちであります」と強調した。

コロナ禍で伸びたままだった髪を切り、午後2時の定例会見で着用した「アロハシャツノマスク」から、初心に戻るという意味を含ませたのか、午後6時の出馬会見には白いマスクで現れた。首には勝負カラーの緑のスカーフを巻き「原点を思い出しながら、あの時(4年前)、何に挑戦していたのか改めて思い起こす」。今回も4年前と変わらず、政党の推薦は受けないと強調した。

定例会見後に緊急会見として仕切り直したが、具体的な政策については後日、説明するとした。4年前は「東京大改革」として、満員電車ゼロなどの「7つのゼロ」を掲げ、当選した。2期目を目指す今回も「『東京大改革2・0(バージョン2)』。これまで進めてきた4年間の東京大改革をさらに進める」と改革路線の継承を前面に出した。

告示まで1週間を切る、異例の時期での出馬表明となった。現職だけに、未曽有の感染症対策、延期された東京五輪・パラリンピックの対応に追われる中での選挙戦となる。都議会で補正予算が可決されたことや、東京アラートが前日11日に解除されたこと、休業要請のステップが2から3に移行したことなどを、「1つの区切りでもあった」と説明した。

小池氏はこれまで、コロナ対策で3密を避けるよう都民に呼びかけてきた。今回の選挙戦では、街頭演説などは避け、オンラインを活用した選挙戦に挑むと明かした。関係者によると、「(ビデオ会議システム)ズームなどを用いて、ユーザーとやりとりをする可能性もある」という。新しい日常へと進む中「都民の皆さんと、この戦いに打ち勝ち、東京大改革2・0を進めていきたい」と話した。【佐藤勝亮】

◆16年都知事選VTR 小池百合子氏、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏を軸に、16年7月31日に投開票された。小池氏は無所属で出馬。増田氏は自民公明が推薦した。鳥越氏は野党統一候補として出馬。出馬表明していた宇都宮健児氏は出馬断念に追い込まれた。小池氏が自民党東京都連に推薦願を提出も、都連も本部も増田氏を推薦。選挙戦に突入した。結果は、小池氏が増田氏に100万票以上の大差で圧勝。都議会自民党と小池氏の対立は今も続く。