元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)は14日、新宿アルタ前などで「街角ゲリラライブ」と題した街頭演説会を行った。

支援する立憲民主党の蓮舫副代表、社民党の福島瑞穂党首や日本共産党の田村智子副委員長らが応援に入る中、12年、14年に続く3度目の出馬へ、新型コロナウイルス対策の抜本的強化やカジノ誘致中止などを掲げた。

宇都宮氏は今回の知事選で、従来の街頭演説を軸とする選挙戦から、ネットを駆使するコロナ禍の選挙戦術に、方向転換。かつてないネット選挙に臨む。演説に聴衆が集まり「3密」となることを避けるため、演説場所の事前告知はせずに時間だけ記し、ネットでライブ配信する。「前回までのように、新宿駅西口などに多くの観衆を集めて、というわけにはいきません」と、宇都宮氏。16日からは、オンライン会議サービス「Zoom(ズーム)」を使った意見交換会を始める予定で、動画配信サービス「YouTube(ユーチューブ)」で生配信する。第1回は「コロナ禍の東京の医療」がテーマだ。

都知事選では、出馬なら野党票の分散を招くとの指摘もある、れいわ新選組の山本太郎代表の動向が注目される。宇都宮氏は「出馬されたらいい。もっと論戦を深め、より良い東京を実現するために一緒に選挙戦を戦えたら」と、述べた。【大上悟】

◆今回の知事選は、小池氏に多くの新人候補が臨む構図で、新型コロナウイルス対策や小池氏の都政運営が主な争点になる見通し。NHKから国民を守る党の立花孝志党首(52)も出馬を予定するほか、出馬の可否を「五分五分」としているれいわ新選組の山本太郎代表は15日にも、態度表明するとみられる。