九州地方を襲っている大雨は各地で土砂崩れや河川の氾濫が発生。甚大な被害をもたらしている。鹿児島県北部の熊本との県境にある伊佐市では「東洋のナイアガラ」と呼ばれる曽木の滝の水量が増大。極めて深刻な被害はもたらしていないが、その1・5キロ下流に位置する曽木発電所遺構には流木がたまる事態となっている。

曽木発電所は1909年(明42)に完成。中世ヨーロッパの城を思わせるれんが造りの建物だったが65年に鶴田ダム完成と同時に水没にいたった。

現在は、水位が下がる5~9月の間だけ、その姿を現す人気の観光地になっている。毎年8月には観光ツアーも実施され、昨年は約300人が参加した。

だが今年は、その観光ツアーへも打撃を与えそうだ。現在、大雨により流木が散乱。水位も上がっているため、建物の破損状況などの確認は、いまだできていないという。市の担当者は「(新型)コロナ(ウイルスの影響)もある状況で、ツアーをどうするか」と頭を悩ませている。