世界遺産を守れ-。東京都の小池百合子知事は7日の定例会見で、新型コロナウイルス感染拡大を受け、竹芝客船ターミナルから小笠原諸島の父島に向かう船客に、11日から乗船前に唾液によるPCR検査を無料で実施すると発表した。

小笠原諸島は都心から約1000キロ離れた太平洋上にあり、2011年、世界自然遺産に登録された。定期船で、片道24時間だ。

島しょ部での感染拡大防止、水際対策が目的で、結果の通知は船内で行う。陽性なら船内での隔離のほか「原則、本土の医療機関への緊急搬送を想定している」(担当者)が、小池氏が「いろいろ考えなくちゃいけません」と話すなど、本格実施には課題もある。

また、都は旧都立府中療育センター(府中市)、東海大学医学部付属東京病院(渋谷区)の2カ所を、都内初の「コロナ専門病院」として開設し、それぞれ約100床を確保すると決めた。対象は中等症以下の患者。東海大の病院は9月中、府中は10月中の運用開始を目指している。

この日、都内では新たに462人の感染が確認され、過去最多の472人に迫った。感染防止徹底宣言ステッカーをあしらったTシャツ姿まで披露した小池氏は「連休中も熱中症とダブルで健康に注意して、外出をできるだけお控えいただきたい」と、訴えた。