国民民主党は19日、都内で両院議員総会を開き、解党して立憲民主党と合流し新党を結成することで合意した。所属の衆参両院議員62人中、59人が参加し、57人が賛成。事実上の分裂が決定した。

玉木雄一郎代表は会見で「賛成多数で2年余りの国民民主党の歴史に幕を閉じることになりました」とあいさつ。「政策根幹、理念の一致ができなかった」と自身は合流には加わらず、別の新党結成を模索する。

ただ玉木氏に同調するのは前原誠司元外相や山尾志桜里衆院議員ら数人とみられる。前原氏は総会を約40分で途中退席。「いろいろな意見が出たが、私は発言しなかった。私は党に残る。(玉木氏の新党は)まず話し合って、意見を聞きたい」。山尾氏は「政策理念が一致しない。玉木氏の新党に参加する」と述べた。

今後、焦点となるのは国民が旧民進党時代から引き継いだ「50億円ぐらい」(玉木氏)の政治資金の存在だ。結党以来、資金難の立民には大きな魅力だが、玉木氏は資金の分割について「お金のことで内ゲバをするくらいなら全額、国庫に返納した方がましだ」と、激しくけん制した。新党不参加組の議員数に応じた配分を求める構えだ。

旧民主党系議員はこれまでも離合集散を繰り返し、「伝統芸」とやゆされてきた。合流新党は約150人規模の見通しだが、新鮮味はない。国民の支持を得られるのか。【大上悟】