安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選に出馬表明した石破茂元幹事長(63)は6日、日刊スポーツなどのインタビューに応じ、来夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは「可能性がある限り、最後まで追求する」などと語った。選挙運動に、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」(任天堂)の人気ソフト「あつまれ どうぶつの森」を活用するプランを決めていたが、規約上の問題でいったん中止に。それでも「石破流」で選挙戦を戦う。総裁選は明日8日、告示される。

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石破氏は来夏の東京五輪・パラリンピック開催への思いを、総裁選に例えて熱く語った。

石破氏 前回の東京五輪は小学2年生。聖火リレーも(地元)鳥取に来た。三宅兄弟の重量挙げ、(女子バレーボールの)東洋の魔女に興奮した。開催できる可能性を最後の最後まで追求したい。これは、総裁選も同じです。

世界的に大ヒットしている「あつまれ どうぶつの森」を選挙戦で活用することを検討したが、利用規約の問題がクリアされておらず、計画の停止に追い込まれるハプニング。それでも「あつ森」愛は健在だ。

石破氏 学生の頃にインベーダーゲームをよくやったけど、あつ森は、めちゃくちゃ面白い。へたするとはまっちゃう(笑い)。我々と違う世代にアクセスする、きっかけを作りたい。

アイドル通でキャンディーズの大ファン。軍事、鉄道マニアで、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」にも詳しく、俳優渡哲也さんの死を悼むなど、政治以外の話題でも雄弁だった。

石破氏 伝説の解散コンサートのビデオはよく見ていたが、最近は楽しむ暇がない。夜行列車がなくなって、サンライズエクスプレスだけでさみしいよ。「さらば宇宙戦艦ヤマト」は映画だけで最低10回、全部で100回は見ました。渡哲也さんのファンで、吉永小百合さんと共演した「時雨の記」はよかったなぁ。

政策発表では持論の防災省新設をあらためて唱えた。

石破氏 24時間365日(防災を)考える所が必要。コロナ禍の夏なら避難所に移動可能なエアコンや空気清浄機、プライバシーをどう確保するか。防災省が必要だと確信している。

スポーツ紙の合同取材で、自身を将棋の駒に例える質問に、菅義偉官房長官は「香車」、岸田文雄政調会長は「王将を目指す」と答えた。石破氏は何か。「王将。目指すものが国政の最高責任者である以上、そうあるべき」と即答した。

4度目の総裁選だ。「国民が政治に絶望しないために政治、政治家は感動を与えることが必要です。最後まで言い続けたい」。大逆転へ、挑む。【大上悟】

◆石破茂(いしば・しげる)1957年(昭32)2月4日、鳥取県生まれ。慶大卒。父は鳥取県知事、自治相の故二朗氏。86年衆院選で初当選。第1次小泉内閣で防衛庁長官として初入閣。その後、防衛相、農相、地方創生担当相を歴任。自民党幹事長や政調会長など、党要職も務めた。家族は佳子夫人と2女。趣味は読書、カレーライスづくり。好きな食べ物もカレーとコロッケ。日本酒とワインを好む愛煙家。血液型B型。当選11回。