大阪市を廃止し、4特別区を設置する「大阪都構想」の是非を問う住民投票(11月1日投開票)は18日、告示後初の日曜日を迎え、大阪市内で賛否両派が舌戦を繰り広げた。

午前11時30分、大阪・ヨドバシカメラ前では公明党の山口那津男代表(68)が大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長(56)、代表代行の吉村洋文大阪府知事(45)と合同で街頭演説。山口氏は支援者らに住民投票で賛成するよう呼び掛けた。公明党大阪府本部によると、山口氏と松井氏らが賛成を訴える街頭演説で並び立つのは初めて。

マイクを握った山口氏は「大阪のみなさん、こんにちは!なっちゃんです。元大阪市民の山口那津男です」とあいさつ。公明党は前回15年の住民投票では都構想に反対。今回は賛成の立場だが、報道各社の世論調査では支持層に反対が多いため、維新側の要望を受ける形で、合同演説会が実現した。

山口氏は「元市民としては(大阪都構想の行方は)気になって仕方がなかった」と話し、都構想に賛成に転じた理由を説明。「この地域がまとまっていこうという結束が大事です。大阪の発展をみて、全国の政令指定都市が『大阪を見習ったほうがいい』と思ってもらえるような大阪を、みなさんといっしょにつくらせてください」と訴えた。

公明党の選挙カーの上に立った松井氏は「公明党のみなさんと街頭でこうやって訴えることは隔世の感がある」としみじみと話した。維新のシンボルカラー・緑のジャンパーを着た吉村氏は、山口氏とのタッグ演説に「(公明党とは)ぶつかることもあった。これは事実です。でも、その後、大阪都構想の案をいっしょにつくってきたのも事実です」と強調。「大阪市と大阪府の二重行政をなくせば、大阪はまだまだ成長することができる」と訴えた。