新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、43回の歴史で初の中止に追い込まれた、東京の夏の風物詩・隅田川花火大会の21年の開催について、隅田川花火大会実行委員会(高田弘会長)は、21年に開催予定の第44回の隅田川花火大会の開催候補日を10月23日とすることを決めた。23日、台東区が発表した。

隅田川花火大会実行委員会事務局は、21年の隅田川花火大会の開催について例年、慣例として開催している7月の最終土曜日が、東京オリンピック(五輪)期間中で開催が困難なことや、昨今の新型コロナウイルス感染拡大の状況等を踏まえ、関係機関と慎重に検討を重ねてきたという。その結果、10月23日を開催候補日として隅田川花火大会実行委員会へ提案、承認され、決定した。最終的な開催の可否は、今後の新型コロナウイルス感染の状況や国の定めるイベントの開催制限等を踏まえ、21年6月ごろに開催予定の隅田川花火大会実行委員会で決定予定だという。

隅田川花火大会は、毎年7月の最終土曜日に開催していたが、延期が決まる前の東京五輪と日程が重なることから、今年は2週間前倒しし、7月11日に開催が予定されていた。それが、政府が4月7日に緊急事態宣言を発令したことを受けて、同10日に中止と延期はしないことを決定。19年は7月27日に開催し、95・9万人が参加した。観覧チケットの販売はなく「密接に人が歩きながら楽しむ」スタイルで公共の交通機関が毎年混雑するため、3密を避けられないと判断した。