政令指定都市の大阪市を廃止し特別区を設置する「大阪都構想」(11月1日投開票)は25日、最後の日曜日を迎え、賛成派、反対派が大阪市内で支持を呼びかけた。

反対派の立憲民主党副代表の辻元清美衆議院議員(60)はヒョウ柄のコスチュームに身を固め「大阪市をなくしたら絶対にアカン」と“辻元節”をさく裂させた。大阪維新の会代表代行の大阪府の吉村洋文知事(45)らは公明党と合同の街頭演説を行った。

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「大阪市廃止にNO!」をテーマに掲げ、大阪市内で行われた立憲民主党の街頭演説。「82歳の母から借りてきた」というヒョウ柄のポシェットを肩から斜めがけし、青いポロシャツの中にはヒョウ柄のタートルネック。辻元氏が大阪のおばちゃんの“勝負服”を着て、マイクを握った。

「大阪市をなくしたら絶対にアカン」と声を張り上げると、「10年、20年がたって、名古屋市とか横浜市みたいに政令指定都市に戻りたいと言っても、もう戻れない」と訴えた。

前回15年の住民投票では僅差で否決され、都構想の旗振り役だった維新創始者の橋下徹市長(当時)が政界を引退した。「橋下さんを好きな人もいたかもしれへんけど、ちょっと半泣きなって辞めたんちゃうん?」と“辻元節”をさく裂。さらに今回の維新の顔でもある吉村氏に矛先を向け「ちょっと若いから、もうちょっと修業してもらわなあかんのちゃいますか」と、大阪のおばちゃんの貫禄? を見せつけた。

立憲民主党は告示後の13日にヒョウ柄のズボンで寝そべる女性のチラシをツイッターに投稿。「大阪のおばちゃんをバカにしている」と物議を醸した。この日、辻元氏、市民ゲストらはあえてヒョウ柄の服装で街頭に立った。「ヒョウ柄は大阪の女のど根性! 大阪市の投票を呼び掛けるポスターはヒョウ柄。反対に投票(ヒョウ)しましょうとと、着てきました」。

一方の吉村氏は大阪市内で公明党と合同で街頭演説。「大阪市と大阪府の二重行政をなくせば、大阪はまだまだ成長することができる」と訴えた。共同通信社が実施した電話世論調査では、都構想への賛成は43・3%、反対43・6%。9月上旬の前回調査から賛否が逆転したことに大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長は「一喜一憂しても仕方がない。丁寧に事実を説明していく」と危機感をにじませた。【松浦隆司】