日本将棋連盟は29日、都内で記者会見を行い、「第6期叡王戦」を食品メーカー「不二家」と共催すると発表した。叡王戦は8大タイトル戦の1つで、今期から序列6位(順に竜王、名人。王位、王座、棋王、叡王、王将、棋聖)となる。今月20日に行われた豊島将之叡王(30)の第5期就位式では、動画配信サービスのドワンゴが叡王戦の主催契約を解除するとの発表がなされた。同時に、主催について改めてこの日、発表するとしていた。

不二家は今年11月、創業110周年を迎える。昨年から日本将棋連盟とともに「ペコちゃん はじめての将棋教室」を開催し始め、普及面から新たなファン層を掘り起こしている。

会見に同席した河村宣行社長(65)は、「将棋の棋士が対局中によくお菓子を食べているのを見る。お菓子は糖分が多く、脳へのエネルギー源にもなる。応援する意義がある。将棋もお菓子も、お互いに幅広い年齢層に愛されるもの。一緒になって話題を提供したい」と話した。対局中のお菓子の提供について、「ボックスの中に入れた好きな物を取ってもらう。チョコレートやビスケットなどが中心となるのでは」と付け加えた。

叡王戦は、プロ棋士とコンピューターソフトが戦う電王戦への出場棋士を決める一般棋戦として2015年(平27)に発足。電王戦終了を受け、前々回の第3期から名前を替えてタイトル戦とし、順に高見泰地、永瀬拓矢、豊島とタイトル保持者が交代した。

第6期は、まず段位別予選を31日から来年4月まで行う。最初の対局である四段戦の杉本和陽(29)対伊藤匠(18)は、インターネットTV「Abema(アベマ)」で放送される。10月1日付新四段の伊藤は、ここがデビュー戦となる。

各段の予選通過者12人と、シードの前期保持者だった永瀬拓矢王座(28)、同本戦ベスト4の渡辺明名人(36)青嶋未来六段(25)佐々木大地五段(25)の計16人によるトーナメントで、7月上旬までに豊島叡王への挑戦者を決める。同月下旬から9月まで、タイトル戦5番勝負(持ち時間各5時間)で開催する。