2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は30日、鈴木大地前スポーツ庁長官が千葉県知事選への出馬を断念した経緯について、都内で記者団の取材に答えた。

森会長は「私は(出馬を)止めたことはないが、スポーツ庁初代長官として今後もスポーツ界の発展に尽力してほしかった。(出馬の意向を示している)熊谷千葉市長も強いし、泥沼の選挙戦になる。出たら無残なことになる」とし、28日に自民党千葉県連の国会議員らに懸念を示したことを明かした。落選すれば初代長官の評価に傷が付くことを心配したという。

森会長によると、馳浩衆院議員が鈴木氏に「当選したとして、県議会とやり合えるのか」と質問すると不安げな回答が返ってきたという。鈴木氏は順大の教職員に復帰する予定。一方、出馬するか態度を明確にしていない森田健作千葉県知事とも面会した森会長は「森田くんは『良い人がいれば譲っても良い』と言っていた」と明かした。自民県連の候補者選考は白紙に戻っている。【三須一紀】