大阪市を廃止し、4特別区に再編する「大阪都構想」は、1日の住民投票で否決された。

都構想を推進してきた大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長(56)は1日午後11時、同市内で記者会見した。マイクを握った松井氏は「結果は2度目の敗北です。私の力不足です。大阪市民の民意をしっかりと受け止める」と敗北の言葉を語った。

敗因については「僕の力不足です。大きな戦いを2度、挑んだ。政治家としての力不足。10年間、維新の先頭で旗を振ってきた。政治家としてのけじめをつけなければいけない」。公言通り、23年4月までの任期終了後、政治家を引退することを明言した。

 

◆大阪都構想 府知事と市長を務めた橋下徹氏が10年に提唱。政令指定都市の大阪市を廃止して東京23区と同様の特別区に再編する構想。成長戦略など広域行政を大阪府に一元化し、特別区が住民サービスを担う。賛成多数で可決されていれば、大阪市は25年1月1日に廃止され、政令指定都市が廃止されれば1956年の制度創設以来、初めてだった。特別区は「淀川」「北」「中央」「天王寺」の4特別区への再編案だった。

◆維新 10年4月、大阪府知事だった橋下徹氏が大阪都構想を掲げて地域政党「大阪維新の会」を結成。代表に就任。11年11月、大阪府市トップの「ダブル選」で市長に橋下氏、知事に松井一郎氏が当選。12年9月、橋下氏が国政政党「日本維新の会」を結党。14年6月、分党。15年5月、大阪都構想が住民投票で否決。橋下氏は政界引退を表明。その後、維新の党は分裂。新たな国政政党「おおさか維新の会」を結成。16年8月、国政政党名を再び「日本維新の会」に変更した。