大阪市を廃止し4特別区に再編する「大阪都構想」の是非を問う住民投票が僅差で否決されてから一夜明けた2日、大阪維新の会代表代行の吉村洋文大阪府知事(45)は府庁で会見した。1日深夜の記者会見で目を潤ませていたことについて「泣いてないです」と全力で否定した。

反対多数が確実になり、同会代表の松井一郎大阪市長(56)とともに大阪市のホテルで1日午後11時から臨んだ記者会見。吉村氏は「否決という判断を尊重したい。僕自身が都構想に挑戦することはもうない」と話した。その際、目が潤んでいたが「(テレビの)画面ではそうなっているかもしれないけど、勝手に泣いたということになっている。家族からも『泣いてたで~』って言われた。泣いてないです」と笑顔で否定した。心境として「やり切ったな、都構想は終わったなという思いが交錯していた」と振り返った。

任期満了での政界引退を表明した松井氏は大阪維新の会代表を近く辞任する意向を固めた。月内に大阪維新の全体会議を開いて正式表明し、決定する。後任は吉村氏で調整している。バトンを託される吉村氏は「仲間と一緒に考えたい」と語った。国政への転身について松井氏、吉村氏ともに否定した。【松浦隆司】