菅義偉首相(71)は5日の参院予算委員会で、日本学術会議会員の任命拒否問題について、立憲民主党の蓮舫氏(52)から厳しい追及を受けた。

首相は会員任命拒否の経緯をあらためて問われ、9月16日に首相就任し、その後、杉田和博官房副長官を通じて会議への懸念を内閣府に伝え、内閣府は24日に候補6人を除外した99人の決裁案を起案。28日に決裁したと説明した。

首相は前日4日の衆院予算委員会の答弁では、杉田氏から候補6人の除外を「最終的に(案が)上がってくる段階で聞いた」と明言した。杉田氏にいつ懸念を伝えたか聞かれると「官房長官当時から懸念を伝えていた。9月16日の総理大臣就任後、あらためて(杉田)副長官に懸念を伝えた。(決裁案起案の)24日の前だと思います。22日か23日だと思います」などと説明。杉田氏から6人の除外についての相談があったか聞かれると「相談があり、私からそれで、という判断をした」と認めた。

蓮舫氏は「事務方が6人を勝手に外すことはできないはず」と6人を除外した法的根拠を求めると、首相は「懸念を伝えたことを踏まえ、調整したということ。任命権者はあくまでも総理大臣です」と説明した。

蓮舫氏は「矛盾だらけだ」と批判。6人の除外にかかわる杉田氏と内閣府のやりとりを含めた決裁案が起案されるまでの過程を記した公文書提出を求めたが、加藤勝信官房長官(64)は「杉田官房副長官と内閣府のやりとりは残している」と公文書の存在を認めた上で「人事に関する記録であり、公平かつ円滑な人事に差し支える」などとして、公表を拒否した。