囲碁の史上最年少プロ、仲邑菫初段(11)が16日、東京都千代田区「日本棋院東京本院」で打たれた第46期新人王戦予選1回戦で、辻華初段(20)に敗れた。

午前10時からで始まった対局は、午後6時43分、284手までで白番(後手)の辻が1目半勝ち。仲邑は初戦で姿を消した。終局後、「どこか後悔している手はありますか」「今はまだ分かりませんか」との問いに、黙ってうなずくのがやっとだった。

勝った辻は、「中盤で優勢になったと思ってから緩んでしまい、最後まで自信がなかった。勝てるとは思っていなかった。運が良かった」と話した。

仲邑は英才特別採用推薦棋士第1号、辻は女流特別採用推薦で、ともに昨年4月にデビューした。同期対決で黒星を喫した。

新人王戦は1975年(昭50)創設。予選開催年の8月1日時点で25歳以下、六段以下の棋士が参加する。今期の場合、36人が8枠に分かれて予選を行い、各組の勝者と16人によるシードで本戦を行う。決勝は3番勝負で、優勝賞金200万円。過去には98~01年に山下敬吾が4連覇した例もある。07年の第32期からは1回限りとなった。その07年は井山裕太、17年芝野虎丸など、現役タイトルホルダーも新人王に輝いている。