将棋の第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦最終一斉対局が、20日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。初の王将戦挑戦を狙って5戦全勝でトップを走る永瀬拓矢王座(28)は、2勝3敗でリーグ残留を目指す広瀬章人八段(33)と対戦。勝てば、スンナリ渡辺明王将(36=名人・棋王)への挑戦権を獲得する。4勝1敗同士の豊島将之竜王(叡王=30)対羽生善治九段(50)の勝者は、永瀬が負けた場合に同星で並び、プレーオフに持ち込める。

最も過酷なのは、広瀬と同じ2勝3敗の藤井聡太2冠(18)。木村一基九段(47)との対局に勝ち、広瀬が負ければ残留できる。藤井は出だしで3連敗の後、2連勝。まずは勝率5割に星を戻したい。藤井、広瀬ともに勝ち、または負けて同星で並んでも、リーグ順位(序列)1位の広瀬が3位の藤井より上のため、下位の藤井が降級となる。

7人総当たりで降級枠は3人。すでに1勝5敗でリーグを終えた佐藤天彦九段(32)と、5連敗の木村の降級は決まっている。昨年のこのリーグ最終戦で挑戦権を争って4勝1敗同士で激突した広瀬の動向が、藤井の運命を握っている。

それぞれの勝敗が微妙に絡むリーグ最終戦、持ち時間は各4時間。同日夜にはすべてが判明する見込み。