囲碁の藤沢里菜女流3冠(女流名人、女流立葵杯、博多・カマチ杯=22)が、女流棋士として初めて男女混合の公式戦を制した。22日、広島市で打たれた「第15回広島アルミ杯若鯉戦」決勝で、孫■(そん・まこと)七段(24)との接戦を制して、332手までで白番半目勝ち。初優勝を果たした。

「信じられない気持ちです。本当に光栄に思います」と終局後、快挙達成の喜びをかみしめた。

2006年(平18)の第1回で女流棋士の謝依旻三段(当時、31)が優勝したが、第5回までは非公式戦。公式戦では、青木喜久代現八段(52)が97年の第22期新人王戦(現在の参加資格は25歳以下で六段以下)、上野愛咲美女流本因坊(19)が昨年の全棋士参加による第28期竜星戦で、それぞれ準優勝したのが最高だった。

藤沢は、故藤沢秀行名誉棋聖の孫で弟子。10年に当時最年少の11歳6カ月でプロ入りした。14年の第1回会津中央病院杯で、15歳9カ月の女流棋士史上最年少でタイトルを獲得して以来、これで15期目のタイトル獲得となる。約1年前には、全棋士参加の名人戦予選で男性棋士相手に8連勝。リーグ入りをかけた予選決勝で一力遼八段に敗れた。

将棋の8大タイトル戦への女流棋士の参加は成績上位者に限定されるが、囲碁の場合、参加資格があれば男女は問わない。しかも、公式戦制覇は、すべてタイトル獲得となる。

若鯉戦は30歳以下で七段以下の限定戦で、優勝賞金300万円。今回は、予選を突破した15人に、前期優勝の平田智也七段(26)が加わった勝ち抜き戦で、21日に本戦1回戦と準々決勝を開催していた。【赤塚辰浩】

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◆藤沢里菜(ふじさわ・りな)1998年(平10)9月18日生まれ、埼玉県出身。故藤沢秀行名誉棋聖門下。10年、11歳6カ月でプロ(初段)に。現在四段。タイトル獲得は15期(内訳は女流本因坊3、女流名人3、女流立葵杯5、扇興杯2、博多・カマチ杯1、若鯉杯1)。