大阪・ミナミの繁華街、道頓堀に新名所が誕生した!? 大阪の老舗の串カツ店「串かつだるま」を展開する一門会(大阪市)が道頓堀川沿いに建設中の新ビル(高さ約20メートル)の屋上に設置した同店のマスコット人形の巨大像「だるま大臣」(高さ約12メートル、重さ約20トン)の点灯式が25日、行われた。

こわもての職人をイメージした「だるま大臣像」は両手に持った串カツを胸元で交差させたポーズ。道頓堀には店頭で太鼓をたたく看板人形「くいだおれ太郎」、「かに道楽」道頓堀本店の名物看板「動くカニ」など、動くオブジェの“激戦区”だけに、新入りのだるま大臣像にも「おもろい仕掛け」を考えたという。

一門会の上山勝也会長兼社長(59)は「回って、止まって、回って、止まるんですわ」。約1時間をかけた“回転ショー”だ。だるま大臣像の正面の定位置は、道頓堀川を挟み、ディスカウント店ドン・キホーテ道頓堀店の観覧車「えびすタワー」と向き合う形になる。約20分がたつと、角度にして約15度、回転し、顔の正面が戎橋に向く。

戎橋は名物看板「道頓堀グリコサイン」があり、観光客の人気の撮影スポット。新入りのだるま大臣像がグリコの看板に軽く“あいさつ”。戎橋を向いてままの状態で約20分間は停止後、今度は180度、回転し、戎橋に背中を向ける形になる。

戎橋からはだるま大臣像の背中にだるまの看板を背負った光景が見える。「戎橋からみたら『あれ!? さっき、あのオッサン、正面向いていたのに、背中を向けて看板を背負っているやないか』となる。『オッサン、だるまの看板を背負って頑張っとんな~』となればええね」と上山社長。観光客をたっぷりと楽しませた後、再び定位置に戻る仕掛けだ。

道頓堀商店会会長も務める上山社長は「道頓堀と言えば、エンターテインメントの街、食の街。日本一の商店街を目指し、おもろい大阪のシンボルとなるようなものを思ってつくらせてもらった」と話した。

大阪府は新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけるため、繁華街を抱える大阪市北区と中央区の全域を対象とし、27日から一部飲食店に営業時間の短縮を要請する。「串かつだるま」も要請に従い、北、中央両区の8店舗で27日から時短営業を行う。

3度目の時短要請に上山社長は「時短になってもウイズコロナで、マナーを守っていきたい。ちょっとにらんで、大きいですが、この人形をかわいがってやってください」と呼び掛けた。戎橋からはスマホでだるま大臣像を撮影する人もいた。【松浦隆司】