大阪府の吉村洋文知事(45)が1日、府庁で取材に応じ、逼迫(ひっぱく)する医療体制に危機感を示した。11月30日時点で大阪府内の新型コロナウイルスの重症者数は過去最多の124人になり、重症病床使用率は60・2%に達した。府の独自基準「大阪モデル」で「非常事態」を示す赤信号が点灯する「70%以上」に近づいている。

吉村知事は「社会全体の感染者を減らさないと、重症者数はなかなか減らない。基本的な感染症の徹底をお願いしたい」と府民に呼び掛けた。

現状について「現時点で医療体制はかなり逼迫(ひっぱく)している」との認識を示し、府が11日まで大阪市の一部地域の飲食店へ要請している時短営業を重視し「12月11日までの期間に集中して、感染を抑えることを最優先にしたい」と強調した。

新規感染者数が増える状況下で「70%」に達した場合、「さらにもう一段、強いお願いをすることになる」と話した。大阪府は政府の分科会が示す基準で最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)にも迫っている。