社会現象を巻き起こした吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんの人気漫画「鬼滅の刃」の最終巻となる23巻が4日、発売され、本を求めて各書店で長い列ができた。版元の集英社によると23巻は初版395万部で、1巻からの累計発行部数(電子版含む)は1億2000万部を突破した。4日朝の全国紙5紙には、各紙で異なる登場人物の全面広告が掲載され、ファンにはたまらない「節目」の1日となった。

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「鬼滅の刃」ブームは今年を象徴する社会的現象だ。版元の集英社によると、23巻は初版395万部を発行。広報担当者は「100万部を超えたら『すごい』と言われる。それよりも4倍近くも多くなりました」とブームの大きさを語る。

1巻からの累計発行部数(電子版を含む)は1億2000万部を突破した。それを記念して、全国紙5紙の4日付朝刊に記念広告が4ページずつ掲載された。全面広告で「夜は明ける。想(おも)いは不滅。」の文字とともに、主要キャラクター15人と名ぜりふが、各社3人ずつ取り上げられた。読売新聞には主人公・竈門炭治郎、朝日新聞にはヒロインの竈門禰豆子が登場。東京都内の一部のコンビニでは、記念広告が掲載された一般紙が完売し空になったラックも見受けられた。

吾峠氏は各紙の広告に「応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます。たくさんの方に助けていただき、支えていただきました。皆さまの歩く道が幾久しく健やかで、幸多からんことを心から願っております」とメッセージを寄せた。【沢田直人】