2020年の世相を一字で表す「今年の漢字」が「密」に決まり、日本漢字能力検定協会が14日、京都市東山区の清水寺で発表した。

同寺の森清範(せいはん)貫主(かんす)が、縦約1・5メートル、横約1・3メートルの和紙に広島県産の特大の筆で揮毫(きごう)した。

今年の漢字は1995年から始まり、今回で26周年を迎える。11月1日から12月6日まで募集、合計で20万8025票を集計した。1位の「密」は2万8401票(13・65%)2位の「禍」が1万3655票(6・56%)で7ポイント以上の差をつけた。

応募理由は「コロナ感染予防として、3密回避が提唱された。逆に密になりすぎていた日常を見直す機会にもなった」などのほか「家族や友人とリモートで会う機会が増えて連絡が『密』になった」と前向きな理由も挙げられていた。

また、政治スキャンダルや芸能界の不倫、薬物報道など「秘『密』がばれてしまったことに注目が集まった年だった」という理由もあった。

社会現象的大ブームを起こした「鬼滅の刃」を連想させる「鬼」は9位で4840票(2・33%)「滅」は7位で5200票(2・50%)新型コロナウイルスを「滅菌したい」などの思いも込められていた。

10位までのランキングは以下の通り。2位「禍」3位「病」4位「新」5位「変」6位「家」7位「滅」8位「菌」9位「鬼」10位「疫」

19年の今年の漢字は新元号にちなんだ「令」だった。