日本棋院は25日、人工知能(AI)の使用防止を目的として来年1月1日から、東京・市ケ谷の日本棋院東京本院、名古屋市の中部総本部、大阪市の関西総本部の対局場で、対局中の外出を禁止すると発表した。昼食休憩(午前11時45分から45分間)、夕食休憩(午後5時30分から45分間)も含む。各対局場で休憩スペースを設ける。

なお、関西棋院では、コロナ禍で「密」を避ける十分な休憩スペースがないため、現時点で外出禁止処置は取らない。

同院によると、3~4年前から外出を禁止する声があったという。韓国では今年1月にデビューしたばかりの未成年の女流棋士が、9月下旬のオンライン対局でAIの不正使用したことが判明して1年間の資格停止処分を受けた。国内であってはならないと、今回の導入につながった。

将棋界ではすでに、2016年(平28)12月14日から対局中の外出禁止令を施行している。昼食休憩(正午から40分)と夕食休憩(午後6時から40分)は、出前を取ったり、自ら対局前に買ってきた飲食物でまかなう。対局中の買い出しは、当日控えている食事係に依頼している。