この年末、千葉県柏市が異例のネーミングライツ(命名権)・スポンサー契約締結を発表した。野球用品メーカーのフィールドフォース社(東京都)とスポンサー契約を結び、柏市富勢運動場野球場の愛称を「フィールドフォースB-SITE TOMISE」とすることが決定した。

「楽天生命パーク」「福岡PayPayドーム」「メットライフドーム」などプロ野球の本拠地や、全国の自治体が、高校野球など硬式野球が使用できる規模の球場の命名権を譲渡する例は増えている。ところが51年前に開場した富勢野球場は、ナイター設備こそあるがA~D面まである軟式野球場。市民大会など主に草野球や少年野球が行われている。いわば同市の「草野球のメッカ」で、広く市民が利用するグラウンドに、スポンサーがついた形だ。

同社はグラブやバットとともに、少年野球をはじめ、アマチュア選手に向けたトレーニング器具や、低価格のネットを次々開発している。同市内の二松学舎沼南(現二松学舎柏)野球部出身の吉村尚記社長は「長く純粋に野球を愛する人たちに慕われる富勢球場こそ、当社が目指す『選手の真の力になる』というベースのようだ。ますます、野球人を増やす中心になってほしいと願っています」と話している。

今後は5年契約でスポンサー料は年間80万円。新愛称の看板のほか、簡易的なスタンドの設置などを検討している。