新型コロナウイルス感染拡大による政府の緊急事態宣言が発令され、東京・新橋駅付近の飲食店が並ぶ高架下では、8日から要請される午後8時までの営業時間短縮について賛否の声が上がった。

ある居酒屋の店員は「これまでも10時までの時短要請に応じていたが、8時までとなるとさらに厳しい」と胸の内を明かした。「協力金も1日6万円では家賃とも割に合わない。8日の(客足の)様子を見て(緊急事態宣言の期間の)2月7日まで休業するかもしれません」と悲痛の声を上げた。同店によると、高架下前の人通りはコロナ禍前と比べて半分以下になったという。

飲食店が並ぶ高架下の通りを素通りし、帰宅途中の会社員男性(60代)は「今は飲みにも誘いづらいし、誘えばひんしゅくを買ってしまう。1年近く飲みに行っていない」とし、「宣言が出て、それで本当に抑えられるなら良いんじゃないですか」と述べた。

午後8時ごろ、営業している飲食店を探していた50代の男女2人組は「もう1軒行こうと思っていたんだけども、行きつけの店に『もう閉める』と言われてね。今日は帰りますよ」と肩を落とした。その上で「時間を制限するならもっと厳しくても良いと思う。休業ともなれば飲みに行かないで我慢もできる。(営業していたら)仕事を早めに終わらして、午後3時から飲み始めたら午後7時まで飲める」と話した。【沢田直人】