「成人の日」の11日、大阪府内各地で新成人を祝福する行事が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、吹田市では会場をサッカーJ1のG大阪の本拠地「パナソニックスタジアム吹田」に変更し、成人祭を開催した。約2600人が参加した。

お笑いコンビ・ジャルジャルの後藤淳平(36)の父で吹田市の後藤圭二市長(63)は「大人の信頼」をキーワードに新成人に対し、式典後の会食を控えるよう呼びかけた。3日前まで開催するかどうか迷ったという後藤市長はサッカースタジアムのピッチをバックに熱く訴えた。

「みなさんを信頼しました。吹田の子どもたちは、吹田っ子は信頼に応えてくれるに違いない。それに賭けよう。ただし、何かが起こったら、開催を決めた私の責任です。この信頼を裏切らないでほしい。それが1つ目のお願いです」

マスク姿で華やかな晴れ着やスーツに身を包み、メインスタンドに着席した新成人らは市長の言葉に耳を傾けた。

「ようこそ大人の世界へという言葉を贈りたい。2つの意味がある。ここから社会人としての人生が始まる。いろんなことが起こるでしょう。それを乗り越えて行ってほしい。希望です」と話し、さらに「成人祭ではあまり言わないことです。大人の世界をナメたらダメです」と、大人として注意深く行動することを呼びかけた。

コロナ禍での成人式に「去年の成人とも、私が成人式を迎えたときとも違う。みなさん、マスクをしている。したくないですよね。でもいま耐えることを学んでいます」と話し、「人にうつさないという行為です。人への思いやりを学び、実行している」と“大人の自覚”に訴えた。

密を避けるため座席は1席空け、着席。住所、氏名、連絡先を記入した出席票を提出してもらい、式典は例年の1時間から30分に短縮した。式典後は分散退場した。

式典後に計画していた中学の同窓会を中止にしたという女子大学生(20)は「式典でみんなと会えてよかった。同窓会ができないのは残念だけど、またいつか…」と話した。

男子大学生(20)は「式典は中止かなと思っていた。一生に1度なので、開催してもらって感謝しています」と笑顔で話した。

後藤市長は「無事に終わりホッとしている」と話し、「大人の信頼」について「今年で成人祭は6回目です。1回目のときに覚悟していた。2000人以上もいたら、あいさつのとき、壇上に上がってくる子もいるんじゃないかと。でも、私の話を、みんな、聞いてくれる。私語もない。新成人の先輩たちと築いてきた“信頼”です」と説明した。