将棋の藤井聡太2冠(18)が全勝での昇級を狙う、第79期順位戦B級2組9回戦、窪田義行七段(48)戦が9日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。

先後は事前に決まっており、先手窪田はグレーの背広を脱いでたたんで後ろに置くと、先手7六歩と角道を開けた。対する後手藤井は後手8四歩。飛車先の歩を突いて対局は始まった。

現在ただ1人、無傷の8連勝でトップを走る藤井はここで勝てば、最終第10局(3月10日)を待たずに3位以内が確定。昇級は上位3人という規定を満たし、B級1組への昇級が決まる。

対する窪田は現在4勝4敗。独特の感覚を持った振り飛車党で、四間飛車を多用する。局面解析度に優れて「早見え」するタイプであると同時に、もつれた長手数の混戦も苦にしない。今回も3手目に早々と先手6八飛とし、四間飛車を採用した。振り飛車にやや苦戦を強いられる傾向があった藤井に対し、初顔合わせでどんな指し回しを見せるか注目だ。

順位戦B級2組は同日、7勝1敗で追う佐々木勇気七段(26)が、6勝2敗の大石直嗣七段(31)と直接対決。6勝2敗で昇級争いに加わっている横山泰明七段(40)は北浜健介八段(45=3勝5敗)、同じく6勝2敗の中田宏樹八段(56)は中村太地七段(32=5勝3敗)と、それぞれ対戦している。

持ち時間は各6時間。同日夜遅くには決着の見込み。