1923年(大12)開業と歴史ある銚子電気鉄道(通称・銚子電鉄)の犬吠駅が10日、空き巣被害にあったことが分かった。

近年は利用者が激減して経営難が続く中、再びの災難。銚子電鉄の担当者は取材に「非常に残念としか言えない。犬吠駅はコロナの影響で、週末以外は無人駅になっていたんです。防犯カメラもつけていなかった」と悲痛な声で語った。

当時の状況に関して「朝8時ごろに係員が駅に行ったときに発見しました。事務室入り口のドアを物でたたいたのか、足で蹴ったのかは分かりませんが、壊されていた。現金被害は2400円くらいしか置いてなかったのですが…。中はそんなに荒らされていた感じではありません」と説明した。金銭目当ての犯行と見られ、すでに銚子警察署に被害届を提出。同電鉄公式ツイッターでも「目撃情報などありましたらお願い致します」と訴えた。

銚子-外川間の6・4キロを22分で結ぶ全10駅の鉄道事業は赤字が続いているが、副業の食品事業で「ぬれ煎餅」がヒットしたことで少し持ち直した。銚子電鉄は鉄道以外の売り上げが全体の約7割を占める。

経営状況がまずいことを理由にしたスナック菓子「まずい棒」や、サバイバル状態の経営を表現した「鯖威張る(さばいばる)カレー」、地元女性お手製の「サバイバルマスク」なども販売し、工夫を重ねてきた。さらに窮地を脱するため、同電鉄製作の“超C(銚子)級”映画「電車を止めるな!」を全国上映や動画配信している。【鎌田直秀】