将棋の藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が2年ぶり3回目の優勝を果たした。11日、東京都千代田区「有楽町朝日ホール」で行われた「第14回朝日杯オープン戦」決勝で三浦弘行九段(46)を下した。際どい寄せ合いを制した。

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「肉を切らせて骨を切る」。非凡な聡太流の将棋を準決勝、決勝で見せてもらいました。準決勝は36手目の後手8二香と角取りに打った手が見事。決断良く指しました。決勝では三浦九段の52手目後手7七歩成に対して、普通なら先手同桂としたいところですが、あえて先手同銀後手同桂成先手同桂とした後の悠々とした指し回しは鮮やかでした。中盤から藤井陣の桂が、最後まで機能していました。

確か昨年11月のNHK杯で木村一基九段に負けた後、14連勝のはずです。現在の藤井2冠には欠点が見当たりません。先手後手は関係ない。特に今回の朝日杯で豊島将之竜王に勝てたのが大きい。また、相手が採用する戦法への得手不得手もありません。11日の2局を見る限り、順位戦で来期から昇級するB級1組でも十分戦えるとみています。(加藤一二三・九段)