五輪相を辞任し、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長に就任した橋本聖子氏(56)の後任に、丸川珠代氏(50)が起用された。16年8月から1年間、五輪相を務めており、再登板となる。橋本氏同様、男女共同参画、女性活躍も担当する。18日夜に会見を行い、橋本氏へのサポートを約束。“犬猿の仲”とみられてきた東京都の小池百合子知事(68)との連携も「非常に重要」と強調した。

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就任会見前に行われた皇居での認証式に、前任・橋本氏への思いを込めた金色のドレス姿で臨んだ。「橋本先生がリオ五輪で選手団長を務められ、その後、金メダルを30個、とおっしゃっていました。聖子大臣の思いをしっかり背負い、アスリート支援に頑張りたいと思います」。

五輪相を辞任し、組織委新会長に就任した橋本氏について「大変大きな決断をして、会長の任務を引き受けられたと思う」とした上で「全力を尽くされると表明されたので、その思いを国の立場からしっかりとお支えしたい」と、全面的なバックアップを約束した。

大会開幕まで5カ月。五輪相の緊急再登板を「思いもよらないことでしたが、大会の成功に向けて本当に待ったなしの状況。しっかりと務めていきたい」と、緊張感をにじませた。新型コロナウイルス感染拡大が収まらない中、大会延期や中止を望む声も多い。「何よりも大切なのは感染症対策。万全でなければ、国民の皆さまの理解を得られない。まずはそこに焦点を絞りたい」と強調した。

森喜朗組織委前会長の女性蔑視とされる発言が国内外で批判と波紋を呼んだ。ジェンダー平等をあらためて訴えるには「女性ファースト」の人選が最優先との認識が、政府の人事介入につながった。そこで浮上したのが、橋本氏の会長転任、丸川氏の再起用だった。

前回就任時と違い、橋本氏から引き継ぐ形で、男女共同参画、女性活躍も担当する。森氏の発言について「女性として、大会まで5カ月という時に、こういう事態になったことは非常に残念。あってはならない発言との橋本前大臣の発言は、その通りだと思います」と批判。「残念ながら、日本の男女共同参画が道半ばになったということが明らかになったと思います。現状を打破し、変革を進めていくことが重要」とした。

犬猿の仲とみられている小池都知事との連携について「非常に重要」と強調。「コロナ禍で負荷が心配される医療現場は都道府県がみておられる。小池知事としっかり連携し、前に進めていきたい」。大会成功に向け、橋本氏、小池氏と協力し合うことを約束した。【大上悟、近藤由美子】