新型コロナウイルス感染拡大による3度目の緊急事態宣言が25日、大阪、兵庫など4都府県に対して発令された。

この日、大阪市北区の日本一長い商店街「天神橋筋商店街」では、普段から「昼飲み」の光景もみられる5丁目付近で特に人通りの多さが目立った。すし店の従業員は「昨日の方が多かったけど、体感としては、多くて、変わりない」と話した。

ただ、商店街に人通りはあるものの、休業をしている飲食店もあった。酒類の提供を中止している店舗では「期間中、アルコール、酒類の提供はいたしません」「持ち込みについてもお断りします」などと書かれたはり紙を掲示。酒類を提供する飲食店に休業、提供しない店に午後8時までの営業時間短縮が求められていることによるものだ。

前日24日まで酒類の提供を行っていた飲食店の従業員は「今日からお酒はやめたけど、だいぶ違う」と話す。同店では、600円の瓶ビールを1日に20本以上売っていたというが、その分の利益がなくなった。

「ソフトドリンクだけでは厳しい。お酒を出しているか(客に)を聞かれて、出していないと、お客さんも『また今度』ってなる」。客足が遠のく不安と、経営への危機感をあわらにした。

ダイニングバーを営む男性も「酒だけを注文する人もいるので、6割は変わる」と嘆く。

店で酒が飲めないかわりに、コンビニなどで購入し「路上飲み」「公園飲み」をする人が後を絶たないのも現状だ。男性は「今日も缶ビールを飲んでいるおっちゃんがいたり、外で飲めたりする。出歩く人がいるから、飲食店だけ休業しても仕方ないのでは…」と不安そうに語った。

テークアウトを利用した男女は「外は不安だし、家で飲めるからいいけど、ゴールデンウイークは(酒類の提供が)あってほしかった」と話した。休業要請には「外で飲んで空き缶が落ちているのを見るし、あまり意味はないのかな」と首をかしげていた。【星名希実】