菅義偉首相は政権発足から初の国政選挙で「3戦全敗」を喫し、政権運営へのダメージは避けられない。

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▼政治ジャーナリスト角谷浩一氏 注目された衆参の補選・再選挙は野党の勝利で終わった。結果の分析以上に自民党は半年以内に行われる衆院選挙のテコ入れに追われそうだ。今回の選挙はいずれも関心は高く投票率の低下はコロナ禍での総選挙に一石を投じることになる。与野党は期日前投票を含め投票に行かせる戦略が重要となるだろう。自民党にとっては手痛い結果となった。広島での敗戦は選挙中に公職選挙法(寄付の禁止)違反容疑で不起訴処分になっていた前経産相・菅原一秀が検察審査会から「起訴相当」と議決され東京地検特捜部が再び任意で事情聴取したことが大きいだろう。政治とカネに有権者は敏感だということが証明された。これで党内の首相・菅義偉降ろしに拍車がかかる可能性もある。