端午の節句「こどもの日」の5日、風物詩のかしわ餅を販売する和菓子店には長い列が相次いだ。

1855年(安政2)創業の老舗「御菓子処俵屋」(東京・武蔵野市)は、つぶあん、こしあん、みそあんのかしわ餅が名物の1つ。東京都では2年連続で大型連休に緊急事態宣言が発令中だが「去年は3密を避けるために予約制にさせていただいた。今年は通常通り販売いたしましたが、お客さまが自主的にソーシャルディスタンスを守って並んでくださっていました」。三鷹市から購入に訪れた60代女性も「今年は少し列が短い気がします。運が良いですね」と笑顔を見せた。

サザエさんどら焼きも有名な「桜の杜伊勢屋」(東京・世田谷区)でも、約30メートルの列が続き、「コロナ前より売れ行きも良く、忙しい1日でした」。柏の木の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「家系が絶えない」「子孫繁栄」の縁起物として江戸時代から定着した。ステイホームで伝統文化を味わう家庭が増えたとみられる。【鎌田直秀】