ラサール石井(65)が6日、都内で行われた「入管法改悪案廃止を求める緊急会見」に出席した。

会見は、国会で議論されている出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案により、入国在留管理局(入管)が、さらに権限を強めようとしていることに反対する趣旨で開かれた。

ラサールは、13年の東京オリンピック(五輪)招致の際、滝川クリステルが「お・も・て・な・し」とアピールしたことを引き合いに「片方の顔では、おもてなし。もう片方の顔では人でなし。なぜ、同じ外国人で漠然とした差別意識があるのか」と声を大にした。

その上で「来ていただいて、お金を使ってくれるお金持ちには、どうぞ、どうぞと言って、希望を持って働く人は虫けらのように扱う。アジアの方に差別意識がある。努力して差別しないようにしないといけないと思っています」と続けた。

そして「難民の人は難民申請をしても99%、通らない。全く受け付けられていないと同じ。申請中は強制送還されなかったものが、送還されるようになってしまう」と改正案を批判した。

今回の改正案は「難民認定の手続き中は送還しない」とする現行の規定に対して、3回目以降の申請者については原則、適用外にするため、送還によって本国で投獄や死刑となる恐れがある。

加えて、難民認定や在留特別許可の結果が出るまで入管側が監理人を選定するが、見つからなかった人や入管当局に認められなかった人は国際法違反とされ、無司法審査、無期限、無要件の入管収容に処せられるという。

国連の「恣意的拘禁作業部会(WGAD)」は20年9月、日本の入管施設での上限のない長期収容や、司法判断を経ない収容を「国際法違反」とし、日本政府に改善を促す意見書を提出した。ただ、改正案は依然として無制限の収容が可能であるなど、意見書に応える内容にはなっていない。

3月6日には、20年8月に名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)の収容施設に収容されたスリランカ出身のラスナヤケ・リヤナゲ・ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなっている。ウィシュマさんは、亡くなる直前は歩けなくなるほど衰弱し、嘔吐(おうと)してしまうため面会中もバケツを持っていたが、点滴などの措置が最後まで受けられない中、亡くなったと支援団体などが指摘している。

会見を開いた入管法改悪に反対する有志の会の指宿昭一弁護士は「ウィシュマさんの問題で何ら真相が解明されていない。死因すら分からないと入管、法務省は言っている。亡くなる前の状況を撮ったビデオを遺族にも国会議員にも見せない」と憤りをあらわにした。

その上で「名古屋入管の件を明らかにしないまま審議に入るのは、あり得ない。政府ではなく第三者機関…国会が国政調査権を使ってしっかり真相を調べ、入管の責任を明らかにしない限り、法案の審議には入れない。通していけないものだというのが分かる。野党が出している法案こそ、採択されるべき」と訴えた。

ラサールは「外国人差別の根にあるのは、1つは惨たんたる英語教育。誰1人、英会話を出来ない。私が子供の頃『This a pen』と言っていた頃と変わらない。英会話中心の英語教育をしていれば、外国人への漠たる恐怖もなくなり、会話できる。何十年もかかるかも知れないが、しないと日本人がどんどん孤立化する」と英語教育から手を付けるべきだと持論を展開した。