横浜市戸塚区のアパートから逃げ出した体長約3・5メートル、体重約13キロのアミメニシキヘビは、自宅内の天井裏にもいなかった。17日、管理人と飼い主の立ち会いのもと、警察、消防が、小型カメラなども使って捜索。ベランダ上部にある部品も取り外しながら、捜索した。

飼い主は「天井裏を含めた家のあらゆる隙間をカメラを使って捜索しましたが、見つかっていません。大変ご迷惑をおかけしています」と説明。6日に行方が分からなくなって12日目となり「私にとってはかわいいヘビだが、近隣の方からすると恐ろしい存在。不安を払拭(ふっしょく)するためにも早急に見つけたい」と責任を感じた様子で話していた。

また、13日から実施していた「おびき寄せ作戦」は一時休止。エサを入れたケースを回収した飼い主は「エサの腐敗が進んでいたのでいったん撤去しました。今後は様子を見て設置するか考えたい」とした。15日にアパートから退去しているが「可能な限り足を運んで自分の目と手で捜したい」。県警も21日までの捜索継続を決定し、それ以降は状況次第で判断するとしている。

飼い主は、動物愛護法で定められている通りに「特定動物」の飼養、保管のための施設を、強化ガラスのケージで自治体に申請し、許可を受けていた。しかし、今回の騒動中、申請と違う木製ケースに入れ替えて飼養していた事実は認めている。結果、ヘビが内部からカギを壊して脱出したとみられている。神奈川県警戸塚署では、同法違反の疑いも視野に、慎重に捜査を進めている。

<アミメニシキヘビ騒動の経過>

▽6日 午後9時頃に飼い主が帰宅時に、ヘビがケージにいないことを確認。カギが壊され、ベランダの網戸が10センチほど開いていたことから、逃げ出したと判断して警察に通報。

▽7日 警察、消防を含めて捜索を本格開始。日本爬虫(はちゅう)類両生類協会の白輪剛史理事長に飼い主が依頼して捜索協力を要請。

▽12日 都内で「超党派 爬虫類・両生類を考える会」が日本爬虫類両生類協会と合同会見。適切な飼育時の安全性を訴える一方、管理体制の点検などの徹底を求めた。

▽13日 新たな策として「おびき寄せ作戦」を実施。普段から与えていたエサを入れたかごを5カ所設置し、捜すのではなく出てきてもらう方法も同時進行。

▽14日 警察、消防など100人態勢での捜索。飼い主は他に飼養していたビルマニシキヘビなどヘビ3匹、ワニ1匹、カメ1匹を爬虫類業者に譲渡。

▽15日 飼い主が引っ越し作業を行い退去。

▽16日 3日間でのべ300人の強化態勢を敷いた最終日。

▽17日 アパート自室の屋根裏なども捜索。