NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の放送が17日から始まり、女優の清原果耶演じる主人公「永浦百音」の故郷として描かれる気仙沼大島でも、盛り上がりに期待が高まる。

宮城県気仙沼市の人口約3000人、周囲約22キロの気仙沼大島。東北最大の離島は「緑の真珠」と称されるほど自然豊かな景観美が魅力だ。11年の東日本大震災から10年。甚大な被害を受けた島にとっても、観光産業とともに復興の一助を願う。

気仙沼大島観光協会の担当者は「ドラマの舞台という影響がどのくらいあるか想像も出来ません。コロナの状況もあるのですが、来ていただけたらうれしい」。昨夏は感染拡大の影響により閉鎖した小田の浜海水浴場は、状況を判断しながら今夏の海開きを検討している。環境省が選定した「快水浴場百選」で全国2位と認められたこともある半円形の美しいビーチと遠浅で穏やかな海。「透明度が高いきれいな海。湾内であることや島があることで波が穏やかなので、ご家族で楽しんでいただけると思います」。2年ぶりの“おかえり”を心待ちにする。

北部にある標高235メートルの亀山山頂付近からの絶景は見事。リアス海岸のパノラマが広がる。日の出に加え、夜はいさり火や満天の星にも魅了される。中腹の大島神社は創建1000年以上の歴史。クロマツ林の遊歩道を抜けた最南端の龍舞崎に打ち寄せる荒波は荘厳な雰囲気だ。

19年4月には、市内と島を結ぶ全長297メートルの気仙沼大島大橋(鶴亀大橋)が開通し、交通の便は良くなった。復旧および開発への工事が行われる一方、被災したままの場所も多く残る。【鎌田直秀】