東京五輪の聖火リレーは18日、緊急事態宣言が発令された広島県での2日目を迎えた。公道の走行を中止し、無観客の中、福山市総合体育館敷地内の周回コースを30メートルずつ走ってつなぐリレー方式で実施。元プロ野球広島カープの大下剛史さん(76)らがコースを走った。

日本ハムから広島へ移籍した1年目の1975年(昭50)、44盗塁をマークして盗塁王に輝き、二塁手としてセ・リーグ初優勝に貢献した大下さん。聖火リレーに参加するのは98年長野冬季五輪に続き2度目といい「何回、持ってもいいもんですね。気合が入るよ」と笑顔で話した。広島のヘッドコーチを務めたときには、その厳しい指導から「鬼軍曹」と呼ばれた。次走者に聖火をつなぐ際には「頑張れ!」と大声で後押しした。

前回、64年の東京五輪では、デモンストレーションで行われた全米大学選抜チームとの試合に選手として参加した。東京五輪の追加種目として3大会ぶりに復帰する野球に「プレーヤーにすべてを任せて、僕たちはバックするだけです」と話した。

◆18日の聖火リレー 広島県で2日目が行われた。公道の走行を中止し、無観客の中、福山市総合体育館敷地内の周回コースで実施。ランナーが30メートルずつ走って炎をつないだ。2日目の第1走者は俳優和泉崇司、アンカーは元陸上障害選手の為末大さんが務めた。19日からは岡山県に入る。新型コロナウイルスの影響で公道でのリレーは中止。19日は岡山城下の段(岡山市)、20日は津山中央公園グラウンドで、いずれも聖火の受け渡し(トーチキス)を無観客で実施する。