山形県の2日目では第4区間の尾花沢市のスターターを1980年モスクワ五輪で“幻の日本代表”となった菅藤弘さん(64)がトーチを高々と挙げて軽やかな足どりで駆け抜けた。

当時は選手層の厚い「黄金のバンタム」を制して代表権を得た。日本選手団の大会ボイコットでオリンピアンの夢は絶たれてしまった。「あのときは何でいけないんだろうというわだかまりがあって、開会式や閉会式の入場行進もみたくないと思っていた。でも、今回(の聖火リレー)でそのわだかまりも消えました」としみじみと語った。

今回のリレーではややくたびれたシューズをはいて走った。「これね、練習用として40数年前にメーカーにいただいたんです。モスクワで使うはずのシューズですね。このシューズにモスクワではないけど五輪の思い出を残せました」と照れ笑いを浮かべた。

◆7日の聖火リレー 天童市を出発して、サクランボなどのフルーツで知られる東根市、クロスカントリーなど距離スキーが盛んな新庄市などを経由して東北地区有数の米どころ庄内地区の鶴岡市、酒田市を聖火を握ったランナーが疾走した。

8日は秋田県に入る。横手市ではタレント壇蜜(40)、大仙市で俳優柳葉敏郎(60)が走り、秋田市では84年ロス、88年ソウルで五輪2大会連続銀メダルを獲得した太田章さん(64)、女子競泳でロス、ソウル五輪連続出場した長崎宏子さん(52)が登場する。